盆踊り中心の生活

盆踊りや祭りの体験記。身体で心で感じたことを綴っていきます。あぁ、明日はどこで踊ろうか。

軽快なお囃子で踊り狂う!【桐生八木節まつり in 浅草】

群馬県桐生市に面白いお祭りがある」

と、噂には聞いていた。

 

桐生八木節まつりである。

YouTubeなどで動画を見てもらえればその迫力がお分かり頂けると思う。まつりのフィナーレの動画は、踊っているというより、人々が波打っている。

 3日間で約50万人の人々が訪れるというこの桐生八木節まつりが、なんと浅草に来るというのだ!しかもこの寒い1月に!そして県外でこの祭りをやるのは初めてだそう。

 

 

これは行かねば!!

 

少し風邪気味だったが、そんなことはもうどうでもよくなっていた。

 

せっかくの浅草なので、着物で行くことにした。とにかく暖かくしていこう。中にヒートテックなどを着込み、冬用の羽織を着てさらにマフラーを巻いた。なにせ、14時〜20時まで外で踊るのだ。

 

 

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少し遅れて会場に着くと、櫓のまわりにはすでに踊っている人々。その周りにたくさんの観客たちが取り囲んでいた。

なんだか久しぶりに見たような気がする赤い提灯たちを見て無償に嬉しくなった。

お囃子は、特に目立っていたのが、リズミカルな鉦の音だ。踊るように鳴らしている。それと、ポカポカと可愛らしい音を奏でる小鼓が合わさって、なんとも軽快で心地のいいリズムを生み出していた。

冬にこんな素晴らしいお囃子が聞けるなんて!

ワタシの中の祭りボルテージがじわじわと上がっているのを感じた。

 

 

嗚呼、早くあの輪の中に入りたいっ!!

景気付けのビールを胃に流し込み、いざ出陣!

 

音頭取りが唄っている時は基本の手踊りを踊る。手を叩いたり、上げたり下げたり、これだけでも結構忙しいのだが、お囃子のパートになると一気に太鼓や鉦が打ち鳴らされ、踊りも激しく変化するのだ。原型はどこにいってしまったんだというくらい一心不乱に手や足を動かし、全身を振り乱して踊る。これが正解というものはなく、それぞれがオリジナルのスタイルで踊る。(ダンス八木節大会もあるそう)

やはりその激しい踊りからか、若者が多い。お揃いのTシャツをきたイキのいい集団がいたり、桐生出身らしき若者たちが慣れた手つき足つきで踊っている。

 

お囃子パートの時の踊り子の合いの手がまた面白い。民謡、会津磐梯山の囃言葉と同じなのだが、なぜこれが桐生八木節でも使われているのかはナゾである。(今度調べてみよう)

 

 ♪ 小原庄助さん なぜ身上(しんしょう)潰した

朝寝 朝酒 女(朝湯)が大好きで それ身上潰した

あーもっともだー もっともだー

いいや違う いや違う あソレ

いいやそうだ いやそうだ

やんちきどっこいしょー

祭りだ祭りだ 桐生の祭りだ ♪

 

 

今回の桐生八木節まつりin浅草では、14時〜20時までの間、30分踊っては30分休憩を繰り返す。これが思っていたよりもハードだった。

全身を振り乱す踊りは、体力の消耗が激しく、ひたすら同じ踊りを踊るというのも、途中から苦行に思えてきた。(いや、めちゃくちゃ楽しいのだけれど)

 

そして、寒いかと思い着物の下にたっぷり着込んできてしまったのがまたいけなかった。

 

暑いっ、、、!

冬に汗だくで踊ることになるとは。

 

 

そしてここからお囃子と踊り子のせめぎ合いが始まる。疲れたら別に、いつでも輪から出られるのだが、ただの意地なのか、もっと別の強い何かに引き寄せられているのか、ヘロヘロになりながらもその輪から出られず、いつ鳴り止むのか分からないお囃子に囃されながら、ひたすら踊り続けた。

 

踊りを見ている観客たちも多く、浅草に観光に来ている外国の方も楽しそうに、しかし不思議そうに見ている。

''なぜ日本人はこんなにひたすらに踊っているのだろう''

そんな声が聞こえたような気がした。

そしてワタシはそんな外国の方々を巻き込み踊る。

''踊れば分かるよ''

 

 

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いつの間にか空は暗くなり、どんな電飾よりも提灯のあたたかい光が目に飛び込んでくる。

きっと宇宙から見ても、祭りの提灯の灯りは一番輝いているんじゃないかなあ、なんてことを考えたりしていた。

夜に近づくにつれ人々の熱気も高まっていき、お囃子は踊り子を囃し立て、若者たちはさらに盛り上がり、踊り狂っていた。

 

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20時になり、ついにお囃子が鳴り止む。

ようやく終わったー!と思ったら、アンコールが巻き起こった。

これは本場でもお決まりのようで、またすぐにお囃子が鳴り出した。もはや踊っているのが歯がゆいのか、拳を突き上げ、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら体をぶつけ合う若者たち。お囃子もそれに応えるように激しく打ち鳴らす。

なんだか、櫓がロックフェスのステージのように見えてきた。

踊る人々と跳ねる人々。カオスな状態になり本日最高潮の盛り上がりを見せていた。

 

そしてホントにホントに最後の演奏が終わり、拍手喝采で幕を閉じた。

 

 

こんな疲労感は夏ぶりだった。

しかしその疲労感は、冬で祭りロスだったワタシを喜ばせた。

 

若者のエネルギー桐生八木節の伝統浅草という土地柄がうまく混ざり合って最高に面白いことが起きていた。

冬にこんなに暑い熱い祭りに出会うとは。

 

この時ワタシは今年の夏、本場の桐生八木節まつりに行くことを決意した。

 

 

【桐生八木節まつり in 浅草】

今年の4月と7月にも開催予定 (要確認)

 

【桐生八木節まつり】

群馬県桐生市中心部

毎年8月第1金曜日〜日曜日