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盆踊り中心の生活

盆踊りや祭りの体験記。身体で心で感じたことを綴っていきます。あぁ、明日はどこで踊ろうか。

東京の台所に現れた異世界で踊る【築地本願寺納涼盆踊り大会】

盆踊り
築地本願寺納涼盆踊りは今年で第69回目を迎えた。
浄土真宗本願寺派の寺院である築地本願寺は、2014年に国の重要文化財として指定されている。インドの宮殿を思わせる建物で、本堂の中にはパイプオルガンがあり、教会のような雰囲気もある。
綺麗に整列された提灯と相まって、気付けば遠くまで来てしまったような不思議な空間を生み出している。

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踊って楽しい!食べて楽しい!見て楽しい!
ここは “日本一美味しい盆踊り” と言われている。東京の台所である築地の有名店が屋台を出していて、人々の食欲を満たしている。食べ物目的で来ても十分に楽しめる盆踊り大会だ。

でもワタシは “踊り目的” なのだ。
とりあえずビールで喉を潤す。

4日間で3万人もの人が訪れるそうで、東京でもかなり大きな盆踊り大会だ。櫓も大きく、人々の踊りの輪も大きい。平日は仕事帰りのサラリーマンやOLも踊っているし、外国の方も多い。

ワタシも早速、巨大な渦の中に飛び込む。
曲目は、中央区の音頭である「これがお江戸の盆ダンス」や「大江戸助六音頭」「築地音頭」など、この地域ならではのものや、「斎太郎節」「法輪音頭」など他ではなかなか踊られないものまで、レベルの高いラインナップになっている。

盆踊りのいいところは、飛び込みで参加しても大体はその場で覚えられて楽しめるというところなのだけど、稀に難易度の高い踊りが紛れ込んでいる。ワタシの場合、「大江戸助六音頭」が何回見ても覚えられない。(紐を結ぶような振り付けのところが難しい、、) 「斎太郎節」もなかなか難しい。
これから盆踊りに参加してみたいという方は、YouTubeなどにたくさん上がっている動画で、事前に幾つか覚えてから行くと、より楽しめると思う。というか気持ちいい、、!!踊りの輪の中に馴染んでいく感じがたまらない。
といっても、盆踊りは上手い下手じゃなくて、楽しめればいいのだけれど。


盆踊りの途中の休憩時間に、大江戸助六太鼓の皆さんのパフォーマンスがあり、その迫力や軽快なバチさばきは圧巻だ。

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その後もノンストップで踊り続け、気付けば2時間が経っていた。それでもまだ踊りたいと思うのだからもうDS。(どうかしてる)

後ろ髪を引かれつつ、再び合掌する。

そして、築地と言ったらお寿司だろう!ということで、お疲れ様のお寿司を頂く。踊り疲れた体に海鮮が染み渡る。これだから盆踊りはやめられない。


築地本願寺納涼盆踊り大会】
東京都中央区築地  築地本願寺境内
7月下旬 または 8月上旬 (要確認)


伝統と流行が混ざり合うDEEPでPOPな盆踊り【中野駅前大盆踊り大会】

盆踊り

中野駅前大盆踊り大会に参加してきた。今年で4回目というまだ新しい盆踊りだ。中野サンプラザ前の広場で行われていて、駅が近いこともあって会場は多くの人で賑わっている。私が会場に着くと、すでに踊りの輪が何重にもなっていた。

 
こちらの盆踊りは日本舞踊鳳蝶流の若手家元、鳳蝶美成さんが踊りを指導している。
その名前からして、きっちりかっちりしてそうな方が、なにやら全身キラキラ光っている。よくお祭りで売っているあのキラキラ光るネコ耳や指輪などを身に付けているのだ。なのに踊りは優雅でしなやかで、そのギャップがなんだか可笑しい。
 

錦糸町を思わせる生唄生演奏スタイル

こちらの盆踊りは櫓がなく、その代わりにステージがあり、後ろには提灯がたくさん並んでいる。この感じは錦糸町河内音頭に似ているなと思った。スケールこそ小さいが、なんとなく形づくられた踊りの輪の感じもその要因のひとつだ。
 
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ステージの上には中野区民謡連盟の方々が生演奏していて、それに合わせて渋い唄声が響きわたる。やっぱりこの “生感” がたまらないのだ。摺り切れそうなテープの音もそれはそれで素晴らしく良いのだけれど、演奏している方々の熱や思いまでもが伝わってきて踊っていて気持ちがいい。おそらく、テンポなども踊り手を見ながら変えているのだと思う。
ただ、ここの盆踊りは錦糸町河内音頭のようにずっと生演奏ではなく、テープ(とは今は言わないか。CD?) も使い分けている。
 
 

どんな曲でもかかって来い!J-POP盆踊り

東京音頭、炭坑節などの定番曲から、郡上おどりのかわさき、河内音頭などが次々とかかっていく。黒石じょんがらや、ドダレバチなどアグレッシブな踊りもあり、飽きのこないラインナップになっている。
 
そして次にかかったのが、初音ミクの千本桜」である。三味線や尺八の中にエレキギターが加わる。一気に会場の雰囲気が変わった。ライブ会場のような若々しい熱気に包まれる。アップテンポな曲に乗り遅れないように、ワタシも必死についていく。(踊りは中野音頭と一緒だが、スピード感が全然違う)
この曲を取り入れたのは、やはり中野という土地柄、オタク文化を意識したものなのだろうか、なかなか面白いじゃないか!と思ったのも束の間、なにやらエレクトロニックな音が聞こえてきた。

 
なにーーー!この曲で盆踊り!?
と、驚いたが、踊りだすと何故だかしっくりくる。(振り付けは東京音頭だったかな?) 先生方がキラキラ光っているのも何故だかしっくりくる。
もう “盆踊り” の概念は (いい意味で) 崩壊してしまったようだ。
 

そしてトドメに、「サザンオールスターズの希望の轍を炭坑節の振り付けで踊った時にはもう笑いが込み上げて吹き出してしまった。
みんなで輪になって何をしているんだろうと、客観的に見た時の異様さに可笑しくなった。 

ただ、ひとつ言えるのはものすごく楽しいということ。少々乱暴な言い方をすると、『もう踊れれば何でも良い』のかもしれない。
 どんな曲でもみんなで輪になって踊れば、“盆踊り” になってしまうのだ。


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ここの盆踊りが気に入ってしまったので、次の日も参加した。
2日目は「ノーメイクス」というアイドルグループが来ることもあってか、若者がさらに増え、熱気も増していた。
何曲か歌い踊ったあと、「すっぴん音頭」というオリジナルの音頭を踊った。振り付けもかわいい。
 
すっぴんぴん ソレ すっぴんぴん ♪
 
という歌詞がしばらく頭から離れなかった。
 

盆踊りというのは、今やコミュニティのひとつで、地域活性など様々な要素を含んでいる。伝統的なものを残しつつも、新しいものも積極的に取り入れたり、その地域のブランド力が試される。
これからの盆踊りは、より地域ごとの “色” が出てくるかもしれない。
 
 
中野駅前大盆踊り大会】
東京都中野区中野  中野サンプラザ前広場
7月下旬 (要確認)

 

若者が熱狂!!これぞ進化形盆踊り【にゅ〜盆踊り】

盆踊り

7月16日。池袋西口公園で行われた『にゅ〜盆踊り』に参加してきた。開催は今年で9回目で、去年までは1日だけの開催だったが、今年は2日間行なわれた。前から気になってはいたのだけれど、他の盆踊りと日程がかぶったりでなかなか機会がなかったのだが、ようやく行くことができた。

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にゅ〜盆踊りとは、近藤良平さんが主宰の「コンドルズ」というダンス演劇コント集団(サラリーマンNEOなどに出演)が企画した盆踊りで、オリジナルの振り付けやユニークな仕掛けがふんだんに盛り込まれている。開催当初は、池袋にある「あうるすぽっと」という劇場で公演&ワークショップという形でやっていたらしい。その後、今の櫓を中心に輪になって踊る、いわゆる “盆踊りスタイル” になっていったそう。


櫓の上にはコンドルズのメンバーたちがいて、振り付けを教えてくれる。ワタシが会場に着いた時は「天草小唄」という熊本民謡の振り付けを教えている最中だった。早速、輪の中に加わる。

「ここはサザエさんの動きね〜!(列になって家に入っていく時のアレ)」など、楽しく分かりやすく面白く教えてくれるので、これは盆踊り初心者でも楽しめるかも、と思った。振り付けも今風な動きを取り入れて、若者が参加しやすいようになっていた。実際ほとんどが10代〜30代の若者たちで、コンドルズのファンらしき人たちが多くいた。(というかここに来る人はほとんどがファンなのかな?)


こ・・これがウワサの超高速リンダ!!

次に、何やら短い甚平を着たアイドルのような可愛い女の子達が櫓の上に上がった「プロジェクト大山」というコンドルズの妹分らしい。

ヨッ!待ってました!!といった感じで、会場は一気にボルテージが上がる。そして、ウワサには聞いていたあの曲がかかる。


山本リンダ「どうにもとまらない」だ。


まずは大山がお手本を見せるため踊り出すと、アイドルのコンサート会場に来たのかと錯覚するほどの熱狂ぶり。そしてもはや盆踊りの枠を超えている高速で激しいダンス。『な、なんだこの振り付けは、、!!』こ、これを踊るの?と少々戸惑っていたワタシだが、周りを見ると、早く踊りたいといった感じでみんな目がキラキラしている。そんな空気感にワタシも徐々に飲み込まれていき、、

次の瞬間には腰をフリフリしていた。

浴衣が崩れるのも気にせず、飛んで跳ねて回って腰をフリフリして、しまいには、一周ではもの足りずアンコール!アンコール!と叫んでいた。まさに “どうにもとまらない” 状態

激しい踊りと、人々の熱気にクラクラしつつ、しばしの休憩時間で出した汗の分だけビールを流し込む。

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強制コミュニケーション!“フォークダンス式”盆踊り

コンドルズが生み出した音頭、「にゅ〜盆踊り」はペアになって踊るらしい。指示された通りに、その場で初めて出会った人とハニカミながらもペアになる。これは、踊るたびに相手が次から次へと変わっていくというシステムになっている。見ず知らずの人たちと向かい合って、手をパチンと合わせたりするのは、照れつつもなんだか心地いい。途中、相手を誘惑する様な小っ恥ずかしい振り付け(通称、夏木マリ) があるのだが、テンションが上がってるのとお酒のチカラも借りて、みな妖艶な表情で相手を誘う。

こんなにも、一緒に踊っている人たちの顔が見れる踊りは無いかもしれない。輪になって踊る盆踊りは大体、左右どちらかの方向に回るから、隣の人の背中を見て踊るか、中央の櫓を見て踊ることが多い。また、通常の盆踊りでのコミュニケーションは、輪の中であくまで “自然” と、隣の人に踊りを教えてもらったり、会話が生まれたりという感じだが、にゅ〜盆踊りでは、半ば “強制的”にコミュニケーションを生み出すといった感じである。

もうひとつ面白いなと思ったのは、事前に踊りの講習会 (ワークショップ) に参加すると、「しゃ〜隊」という名の盆踊りリーダーになる。当日、しゃ〜隊は積極的に踊りに参加し、周りの人に踊りを教えたり、踊っていない人に声をかけたり、列を整えたりと、いちスタッフとして働くのだ。こうした人たちを散りばめることによって、会場がより一体となり、盛り上がる。


その後も、オリジナル振り付けの「東京五輪音頭」や、シウマイの振り付けが可愛い「崎陽軒音頭?」や、なかなか終わらない「お祭りマンボ音頭」などを踊った。


若者たちが狂ったように踊っているのを見て、こんなにも盛り上がる盆踊りがあるのかと、驚いたと同時に嬉しくもあった。確かに、これまでの盆踊りとはひと味もふた味も違う、まさに “にゅ〜” な盆踊りであった。 

盆踊りはまだまだ色々な可能性を秘めているのかもしれない。

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【 にゅ〜盆踊り 】

東京都豊島区西池袋  池袋西口公園

毎年7月中旬あたり (要確認)


心を揺さぶる日本のリズム

盆踊り
7月14日、佃島の念仏踊りに出かけたけれど、残念ながら雷雨の影響で中止に。と言うわけで急遽、すごく行きたかった大石始さんとケイコ・K・オオイシさんの新刊出版イベントに参加してきた。
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『ニッポンのマツリズム』は、お二人が日本中を周って面白い祭、奇妙な祭を取材し体験しまとめたもので、この本では13の祭や踊りが紹介されている。今回のイベントでは映像上映&解説をして下さり、今まで写真や文献でしか見たことのなかった祭や踊りの空気感や音、匂いまでもが伝わってきて、自然と身体が動いてしまった! 

日本のリズム。祭のリズム。厳かなリズム。荒々しいリズム。繋がり続けたリズム。形を変えたリズム。すべては人間の内側から生まれ、今も昔も私たちの心を揺さぶる “マツリズム” はすごいなと、またその魅力に取り憑かれてしまった。

今回、個人的に気になった祭は、ド迫力の動物と村人たちが何ともシュールな【鹿児島・市来の七夕踊】阿波踊りのルーツであり求愛の踊りでもある【熊本・牛深ハイヤ節】神々しい雰囲気とほぼフリースタイルな掛け合いの【奄美大島・アラセツ行事と八月踊り】
、、、と思ってたけどやっぱり全部気になる!

日本にはたくさん面白いものがあって、そしてそれを生みだし守り続ける日本人はさらに面白い!『ニッポンのマツリズム』ぜひ手に取って読んでみて欲しい。まだまだ知らないニッポンがそこにはあるはず。

東京の真ん中で下駄の音が鳴り響く【郡上おどり in 青山】

盆踊り

6月24日・25日に開催された郡上おどり in 青山 に参加してきた。

なぜ東京の青山で岐阜の郡上おどりを踊るかというと、郡上八幡城主の青山家の菩提寺が青山の梅窓院にあるというご縁から、保存会の方々を招き始まったそう。(青山という地名も青山家に由来する)今年で23年目。意外に長いことやっている。

 

ワタシが盆踊りに目覚めて4年程になるが、それまでは東京の真ん中でこんなにも楽しいことが行われていたなんて知る由もなかった。なぜ誰も教えてくれなかったんだ。それまでの夏の楽しみと言えば、たまに海に行って、BBQでもして、花火観て、あちぃ〜って言いながら麦茶をガブ飲みするぐらいなもんだった。(それはそれで結構楽しかったんだけど)でも、出会ってしまったのだ。もうあの頃の自分には戻れない。そんな “受け身” の夏では満足できない身体になってしまったのだ!!

 

郡上八幡のうまいビールを東京で味わう

浴衣に着替えて、郡上おどり用の下駄を履いて、郡上八幡で買った手ぬぐい(タカラギャラリーワークルームで購入。オリジナルも作れる!)を持って家を飛び出す。一日目は残念ながら夕方から雨マークで、ずぶ濡れ覚悟で臨んだ。

会場に着くと案の定パラパラと雨が当たってきたが、そんなことは気にせず、まずは景気付けに一杯やるとする。郡上八幡を訪れた際に発見した「こぼこぼ」というクラフトビールのお店が出店しているということで、まずはご挨拶。ここの店主さんは相当こだわりが強く、どうしても郡上の水でビールが作りたかったそうで、なんとお店の地下でビールの製造を行い、その場で瓶詰めまでしている。店主さんは地質学に詳しく、分厚いファイルを取り出し、中にあった細かい地図を見ながら説明してくれた。郡上の水の成分はなんかこう、、とにかく相当いいらしい。(すいません。いい感じに酔っぱらっててうろ覚えなので詳しくは実際にお店に行って聞いてみることをおすすめします。)こぼこぼのビールはやっぱり美味しかった。

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 写真は郡上八幡にあるお店を訪れた時のもの

 

雨? むしろ大歓迎!!!

踊り開始は17時からなのだが、16時頃から踊りの講習会も行われているので、全くの初心者でも練習してから本番に臨むことができる。

そして雨がパラつく中、郡上おどりがスタートした。まずは「古調かわさき」という比較的ゆったりとした曲から始まった。情緒豊かな生の唄声と、演奏が青山に響き渡る。東京にいながら岐阜の郡上八幡の雰囲気を味わえるなんて、ほんとうに贅沢だなあ、と喜びがこみ上げてくる。続いて「かわさき」「三百」などがかかっていく。雨も少しずつ強くなってきたが、誰も踊りをやめようとする人はいない。それどころか、みんなむしろ『もっと濡れたい!!!』といった様子で、どこか嬉しそう。ワタシもほっかむりをしながら踊り続ける。「春駒」がかかると、盛り上がりは最高潮に。飛んで跳ねて、たくさんの下駄の音が東京の青山という小洒落た街に鳴り響く。

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途中の休憩時間にはお免状の表彰(踊りが上手だった方が貰える踊りの免許。その日のお題が決められていて、保存会の方が審査する。)と、お楽しみ抽選会(特製手ぬぐいを買うと抽選券が付いていて、豪華商品が当たる。みんな狙っているのは郡上宿泊ペアチケット。)が行われる。どちらにも手が届かなかったワタシは明宝ハム(郡上の特産品)にかぶりつく。

 

ここからが郡上おどりの本当の醍醐味

日が暮れてくると同時に、あれだけ真っ黒だった雨雲がどこかに行ってしまったようで、会場は梅雨の蒸し暑さと踊る人々の熱気で盛り上がりはさらに増していった。その後もワタシの好きな「猫の子」「げんげんばらばら」がかかり、脳内は完全に郡上八幡にトリップしていた。濡れていた浴衣もすっかり乾いてしまい、ずぶ濡れ覚悟だったワタシは少し拍子抜けしてしまった。

最後の踊りはもちろん「まつさか」。この曲が流れると決まって複雑な心境になる。身体は疲れてヘトヘトなのに、心は『もっと踊っていたい』と言う。終わりたくないと思ったワタシは自分に言い聞かせる。

『今年のお盆も本場の郡上おどりを朝まで踊り続けるんだから!』

そうだった。夏はまだ始まったばっかりだった。

踊り終わった後にお疲れ様のビールを頂く。やっぱり美味い。

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【 郡上おどり in 青山 】

東京都港区北青山 秩父宮ラグビー場駐車場

毎年6月第4金・土あたり(日程変更の可能性あり)

※ 雨天決行

 

待ちに待った盆踊りシーズンの幕開け!【山王祭 納涼大会】

盆踊り

山王祭とは、江戸三大祭り(他に、神田祭・深川八幡祭)の筆頭であり、日本三大祭(他に、京都の祇園祭・大阪の天神祭)にも数えられるスゴい祭なのだ。山王祭自体は6月7日〜17日の間行われており、ワタシは東京に10年以上住んでいるのにもかかわらず、その存在をつい最近知った。お恥ずかしい。

そして、13日〜15日の3日間は日枝神社の境内で盆踊り大会が開催される。これが【東京で一番早い盆踊り】だ。それを聞いた瞬間、もうワクワクが抑えられず、カレンダーに大きく書き込んだ。こうなったらもう何が何でも行かなくては気が済まない性格なのだ。梅雨シーズンではあるが、ここの盆踊りはテントの中にやぐらが組まれるらしいので、雨でも決行されるとのこと。

 

東京で一番早い盆踊りに一番早く来ちゃった

今年初の浴衣に手を通し、電車に乗り込む。少々時期外れな浴衣姿のワタシに乗客たちの視線が突き刺さる。しかもこの日は朝から雨が降り続き、ワタシが盆踊り会場に着いても止むことはなかった。(1時間半も前に着いた。気合い入り過ぎ。)早く来すぎたこともあり、人もポツリポツリしかおらず、折り畳み傘を畳みながら少々不安になっていた。開始まではまだ時間があったので、日枝神社に参拝した後、景気付けに生ビールを頂く。腹ごしらえも済ましてしまおうと、焼き鳥、モツ煮、焼きそばを頂く。美味い。安定の祭の屋台の味にホッとする。

 

日が暮れるに従って、人の数も増えて徐々に活気が出てきた。おそらく様々な盆踊りに参加しているであろう方たち(姿や立ち振る舞いで何となく分かる)も集まってきた。なにせ、平日の週始めの雨の日である。そんな日に浴衣や着物を着て提灯の下に集まるなんて相当な盆踊ラー(盆踊りにとり憑かれている人)なのである。実際に、他の盆踊りで見かけたことがある方もいらっしゃった。みんな『もう待ちきれない』といった様子で開始までの時間をそれぞれ過ごしていた。

 

神様をも味方に付ける踊り好きたち

盆踊り開始の18時半になり、日枝神社宮司さんが祭の御祈祷をされた瞬間、なんと今までダラダラと降り続けていた雨がピタッと止んだのだ!神様は踊り好きの味方だったようです。ありがとうございます!やぐらの上には大太鼓が上げられ、さらしを巻いた叩き手の方々がバチを持って登場。そして絶妙なタイミングで、地元の踊りの会の奥様方がお揃いの浴衣をビシッと決めて現れると、いよいよ盆踊りの始まりだ!

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手始めに東京音頭がかけられる。ド定番なので、司会の方も「これはもちろん踊れますよね〜」といった感じで煽ってくる。今年初めての盆踊りなので、ワタシは感覚を確かめるように手足を動かす。一周回り終えると、『あああ〜これこれ!!』と感覚が蘇り、気分も上がってくる。その後も、大東京音頭、炭坑節など定番の曲がかかっていく。人もどんどん増えていき、ドンパン節、八木節、花笠音頭など盛り上がる曲がかかると、会場の熱気は最高潮に!踊りの輪は4重にもなり、テントの外にも踊る人が溢れていた。ワタシも踊りの分からないものは見よう見まねで必死に喰らい付き、気付けばノンストップで2時間半踊っていた。

全部で10種類以上の曲がかかり、団扇を使う曲や、手ぬぐい(先着で日枝神社の手ぬぐい貰いました!)をぐるぐる回す曲など、バリエーション豊かなラインナップだった。ちなみに、この日はメインの山王音頭はかからず、2日目3日目に持ち越しだとのこと。

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今年初めての盆踊り。去年の夏ぶりにみた提灯の赤さにクラクラしつつも、踊りの季節が始まった喜びを噛み締め、ご褒美の生ビールを流し込んだ。これだから盆踊りはやめられない。今年もたくさん踊ろう!!

 

山王祭 納涼大会 】

東京都千代田区永田町 日枝神社境内

毎年6月13日〜15日 18:30〜21:00頃

※ 雨天決行

 

せつない恋物語が紡ぎだす美しい言葉たち【お六甚句】

盆踊り
『お六甚句』は、ワタシの出身でもある新潟県南魚沼市六日町に伝わる唄である。
お六とは、新潟県南魚沼市の坂戸城下で生まれたとされる“ 愛 ”の兜で有名な戦国武将、直江兼続の幼少期 (樋口与六) の愛称だ。

歌詞の中に登場する桂姫は、兼続の主君であり、幼い頃から兄弟のように過ごした上杉景勝 (上杉謙信の養子) の2人の妹のうちの1人である。

この唄は、そんなお六と桂姫の決して結ばれることのないせつない恋を情緒豊かに唄ったものだ。

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謙信公まつりの一コマ。鉄砲隊による実演。坂戸山に鉄砲の音が響き渡る。

 

『お六甚句』
①送りましょうか 送られましょうか
   寺が鼻まで 時雨にぬれて
   昔やお六と 昔やお六と桂姫
 
②月が出たぞえ 木影に入ろか
   ままよ渡ろか 坂戸の橋を
   お六甚句で お六甚句で水鏡
 
③吹雪く窓なりゃ 届かぬ想い
   心細かな 縮のあやを
   織って着せたや 織って着せたや主が肩
 
④百姓大名じゃ 兼続様は
   尻をからげて 田草もとりゃる
   峰にゃ松風 峰にゃ松風玉日和
 
⑤おらが娘の きりょうを見やれ
   燃えて溶かした 高嶺の雪を 
   袖にすくって 袖にすくって玉の肌
 
⑥お六恋しや 姫様桂 
   あえぬこの身が 川瀬をこがす
   蛍呼ぶなら 蛍呼ぶなら寺が鼻
 
寺が鼻とは、桂姫が暮らしていたとされる家がある場所。(現在の南魚沼市大月) 会える距離にいながらもなかなか会えず、人目を忍んでデートしている。(のかな?)
しかし、武家の掟に逆らう事は許されず、二人は離ればなれになってしまう。そして、身体が弱かった桂姫は、お六への気持ちを引きずったまま、若くして病にかかり短かすぎる生涯を終えたのだった。
当時の様子を想像しながら聴くと、しっとりとした情景が浮かび上がってくる。なにより言葉がとても美しい。とにかく、ワタシの妄想力が掻き立てられる歌詞なのだ。
 
肝心の踊りはというと、ゆったりとした伸びやかな踊りで、まさに唄のイメージを身体で表現しているといった感じ。踊りやすいし、覚えやすい。地元の学校では運動会でも踊ったりしているので、みんな踊れて当たり前なのだ。ワタシも他の盆踊りに出会うまでは、盆踊り=お六甚句だった。
六日町のお祭り (謙信公まつり) では『お六流し』といって、お六甚句に合わせて町中を踊り歩く。チームごとに色々な仮装をして踊るのがお決まりになっている。

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去年、丁度お祭りの時に帰省したので、人々で賑わう町に繰り出した。
お六流しが始まると、ワタシは居ても立ってもいられず、(もう病気に近い) 流れに身を任せた。見慣れた商店街の風景も、道路の真ん中で踊っていると全く違うものに見える。お六と桂姫はこの自然豊かな場所で何を想い、何を感じ過ごしていたのだろうか。ワタシは、二人の恋の行方を覗いているような気分になっていた。 
 
久しぶりに踊ったのだが、やはり幼い頃から踊っていたためか、身体が自然と動いていた。故郷が生んだお六甚句は、もはやワタシのDNAに組み込まれていたのだった。

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以前手作りした直江兼続モデルの兜もどき(我ながらクオリティ高い・・・)
 
南魚沼市謙信公まつり】
毎年 7月17・18・19日 (お六流しは2日目の夕方〜)
 ※日程は変更する場合あり