盆踊り中心の生活

盆踊りや祭りの体験記。身体で心で感じたことを綴っていきます。あぁ、明日はどこで踊ろうか。

若者が熱狂!!これぞ進化形盆踊り【にゅ〜盆踊り】

7月16日。池袋西口公園で行われた『にゅ〜盆踊り』に参加してきた。開催は今年で9回目で、去年までは1日だけの開催だったが、今年は2日間行なわれた。前から気になってはいたのだけれど、他の盆踊りと日程がかぶったりでなかなか機会がなかったのだが、ようやく行くことができた。

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にゅ〜盆踊りとは、近藤良平さんが主宰の「コンドルズ」というダンス演劇コント集団(サラリーマンNEOなどに出演)が企画した盆踊りで、オリジナルの振り付けやユニークな仕掛けがふんだんに盛り込まれている。開催当初は、池袋にある「あうるすぽっと」という劇場で公演&ワークショップという形でやっていたらしい。その後、今の櫓を中心に輪になって踊る、いわゆる “盆踊りスタイル” になっていったそう。


櫓の上にはコンドルズのメンバーたちがいて、振り付けを教えてくれる。ワタシが会場に着いた時は「天草小唄」という熊本民謡の振り付けを教えている最中だった。早速、輪の中に加わる。

「ここはサザエさんの動きね〜!(列になって家に入っていく時のアレ)」など、楽しく分かりやすく面白く教えてくれるので、これは盆踊り初心者でも楽しめるかも、と思った。振り付けも今風な動きを取り入れて、若者が参加しやすいようになっていた。実際ほとんどが10代〜30代の若者たちで、コンドルズのファンらしき人たちが多くいた。(というかここに来る人はほとんどがファンなのかな?)


こ・・これがウワサの超高速リンダ!!

次に、何やら短い甚平を着たアイドルのような可愛い女の子達が櫓の上に上がった「プロジェクト大山」というコンドルズの妹分らしい。

ヨッ!待ってました!!といった感じで、会場は一気にボルテージが上がる。そして、ウワサには聞いていたあの曲がかかる。


山本リンダ「どうにもとまらない」だ。


まずは大山がお手本を見せるため踊り出すと、アイドルのコンサート会場に来たのかと錯覚するほどの熱狂ぶり。そしてもはや盆踊りの枠を超えている高速で激しいダンス。『な、なんだこの振り付けは、、!!』こ、これを踊るの?と少々戸惑っていたワタシだが、周りを見ると、早く踊りたいといった感じでみんな目がキラキラしている。そんな空気感にワタシも徐々に飲み込まれていき、、

次の瞬間には腰をフリフリしていた。

浴衣が崩れるのも気にせず、飛んで跳ねて回って腰をフリフリして、しまいには、一周ではもの足りずアンコール!アンコール!と叫んでいた。まさに “どうにもとまらない” 状態

激しい踊りと、人々の熱気にクラクラしつつ、しばしの休憩時間で出した汗の分だけビールを流し込む。

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強制コミュニケーション!“フォークダンス式”盆踊り

コンドルズが生み出した音頭、「にゅ〜盆踊り」はペアになって踊るらしい。指示された通りに、その場で初めて出会った人とハニカミながらもペアになる。これは、踊るたびに相手が次から次へと変わっていくというシステムになっている。見ず知らずの人たちと向かい合って、手をパチンと合わせたりするのは、照れつつもなんだか心地いい。途中、相手を誘惑する様な小っ恥ずかしい振り付け(通称、夏木マリ) があるのだが、テンションが上がってるのとお酒のチカラも借りて、みな妖艶な表情で相手を誘う。

こんなにも、一緒に踊っている人たちの顔が見れる踊りは無いかもしれない。輪になって踊る盆踊りは大体、左右どちらかの方向に回るから、隣の人の背中を見て踊るか、中央の櫓を見て踊ることが多い。また、通常の盆踊りでのコミュニケーションは、輪の中であくまで “自然” と、隣の人に踊りを教えてもらったり、会話が生まれたりという感じだが、にゅ〜盆踊りでは、半ば “強制的”にコミュニケーションを生み出すといった感じである。

もうひとつ面白いなと思ったのは、事前に踊りの講習会 (ワークショップ) に参加すると、「しゃ〜隊」という名の盆踊りリーダーになる。当日、しゃ〜隊は積極的に踊りに参加し、周りの人に踊りを教えたり、踊っていない人に声をかけたり、列を整えたりと、いちスタッフとして働くのだ。こうした人たちを散りばめることによって、会場がより一体となり、盛り上がる。


その後も、オリジナル振り付けの「東京五輪音頭」や、シウマイの振り付けが可愛い「崎陽軒音頭?」や、なかなか終わらない「お祭りマンボ音頭」などを踊った。


若者たちが狂ったように踊っているのを見て、こんなにも盛り上がる盆踊りがあるのかと、驚いたと同時に嬉しくもあった。確かに、これまでの盆踊りとはひと味もふた味も違う、まさに “にゅ〜” な盆踊りであった。 

盆踊りはまだまだ色々な可能性を秘めているのかもしれない。

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【 にゅ〜盆踊り 】

東京都豊島区西池袋  池袋西口公園

毎年7月中旬あたり (要確認)