盆踊り中心の生活

盆踊りや祭りの体験記。身体で心で感じたことを綴っていきます。あぁ、明日はどこで踊ろうか。

伝統と流行が混ざり合うDEEPでPOPな盆踊り【中野駅前大盆踊り大会】

中野駅前大盆踊り大会に参加してきた。今年で4回目というまだ新しい盆踊りだ。中野サンプラザ前の広場で行われていて、駅が近いこともあって会場は多くの人で賑わっている。私が会場に着くと、すでに踊りの輪が何重にもなっていた。

 
こちらの盆踊りは日本舞踊鳳蝶流の若手家元、鳳蝶美成さんが踊りを指導している。
その名前からして、きっちりかっちりしてそうな方が、なにやら全身キラキラ光っている。よくお祭りで売っているあのキラキラ光るネコ耳や指輪などを身に付けているのだ。なのに踊りは優雅でしなやかで、そのギャップがなんだか可笑しい。
 

錦糸町を思わせる生唄生演奏スタイル

こちらの盆踊りは櫓がなく、その代わりにステージがあり、後ろには提灯がたくさん並んでいる。この感じは錦糸町河内音頭に似ているなと思った。スケールこそ小さいが、なんとなく形づくられた踊りの輪の感じもその要因のひとつだ。
 
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ステージの上には中野区民謡連盟の方々が生演奏していて、それに合わせて渋い唄声が響きわたる。やっぱりこの “生感” がたまらないのだ。摺り切れそうなテープの音もそれはそれで素晴らしく良いのだけれど、演奏している方々の熱や思いまでもが伝わってきて踊っていて気持ちがいい。おそらく、テンポなども踊り手を見ながら変えているのだと思う。
ただ、ここの盆踊りは錦糸町河内音頭のようにずっと生演奏ではなく、テープ(とは今は言わないか。CD?) も使い分けている。
 
 

どんな曲でもかかって来い!J-POP盆踊り

東京音頭、炭坑節などの定番曲から、郡上おどりのかわさき、河内音頭などが次々とかかっていく。黒石じょんがらや、ドダレバチなどアグレッシブな踊りもあり、飽きのこないラインナップになっている。
 
そして次にかかったのが、初音ミクの千本桜」である。三味線や尺八の中にエレキギターが加わる。一気に会場の雰囲気が変わった。ライブ会場のような若々しい熱気に包まれる。アップテンポな曲に乗り遅れないように、ワタシも必死についていく。(踊りは中野音頭と一緒だが、スピード感が全然違う)
この曲を取り入れたのは、やはり中野という土地柄、オタク文化を意識したものなのだろうか、なかなか面白いじゃないか!と思ったのも束の間、なにやらエレクトロニックな音が聞こえてきた。

 
なにーーー!この曲で盆踊り!?
と、驚いたが、踊りだすと何故だかしっくりくる。(振り付けは東京音頭だったかな?) 先生方がキラキラ光っているのも何故だかしっくりくる。
もう “盆踊り” の概念は (いい意味で) 崩壊してしまったようだ。
 

そしてトドメに、「サザンオールスターズの希望の轍を炭坑節の振り付けで踊った時にはもう笑いが込み上げて吹き出してしまった。
みんなで輪になって何をしているんだろうと、客観的に見た時の異様さに可笑しくなった。 

ただ、ひとつ言えるのはものすごく楽しいということ。少々乱暴な言い方をすると、『もう踊れれば何でも良い』のかもしれない。
 どんな曲でもみんなで輪になって踊れば、“盆踊り” になってしまうのだ。


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ここの盆踊りが気に入ってしまったので、次の日も参加した。
2日目は「ノーメイクス」というアイドルグループが来ることもあってか、若者がさらに増え、熱気も増していた。
何曲か歌い踊ったあと、「すっぴん音頭」というオリジナルの音頭を踊った。振り付けもかわいい。
 
すっぴんぴん ソレ すっぴんぴん ♪
 
という歌詞がしばらく頭から離れなかった。
 

盆踊りというのは、今やコミュニティのひとつで、地域活性など様々な要素を含んでいる。伝統的なものを残しつつも、新しいものも積極的に取り入れたり、その地域のブランド力が試される。
これからの盆踊りは、より地域ごとの “色” が出てくるかもしれない。
 
 
中野駅前大盆踊り大会】
東京都中野区中野  中野サンプラザ前広場
7月下旬 (要確認)